オットの熱意が上手く噛み合ったケースもあります。
学業成績が優秀なだけではなく、工学的センス有り、知識や興味も広く、勉強熱心で、継続した努力もできるBくん。
Bくんには昔から入りたいと思っていた会社があって、オットの研究テーマのひとつが、その会社の製品と関わりが強そうだったからオット研に来たとのことでした。
その会社には普通に考えたらあの大学からは入れません。もちろん推薦枠もありません。推薦枠はないけど推薦状をつけて応募したらどうだろう、とオットは考えて、先方の了解を取り付けた上で推薦状を書いてあげたそうです。つまり、"前職場〇〇で多くの社員と仕事をしてきたが、このBくんはそこにいた有名大卒業者と遜色なく云々…" とか、そんなことをですね。〇〇は一応、たぶん、その業界では技術力があると言われているとこなので、それなりに説得力はあったでしょう。
また、本来なら卒業研究は四回生になってからスタートですが、研究室配属が決まった直後(前年12月)から動きだし、と言っても研究を進めるほどのことはできないですが、その会社が出している新しめの論文など文献調査をしたり、実際にモノを出してきて、研究テーマ(おそらくその会社と関連が深い)となっている問題事象の再現を自分でやらせてみたりしたそうです。
Bくんはその会社の採用選考ルートに乗せてもらうことができ、技術部門の人との1時間にわたる面接もクリアして見事内定を得ました。大学名で門前払いしなかったその会社もGOOD !👏
会社からの内々定の連絡は、本人よりも先に教員のところにご丁寧な電話があったそうで、オット、昭和か!とツッコミつつも、「久々に仕事した気分ですわ」と満足げでした。
サラリーマン時代ほどではないけど、やはり孤軍奮闘だったり、学生の反応に脱力激しかったりと、虚しくなることも多い日々なのでしょう。Bくんはもちろん卒業研究で成果をきちんと出し、ギリギリ卒業前の3月に学会発表もするそうです。
なぜこんな優秀な学生がここにいるかって、実はBくんは、それほど教育熱の高くないであろう山間部の高校から推薦で入ってきた子です。受験を意識した勉強をしていないこういう未知数な子の中にいろいろな可能性を秘めた子が隠れているのですね。実際Bくん、最初は大学で授業についていけるか心配してたくらいなのだそうです。
優秀な学生が埋もれないで済んで良かった。
オットがBくんの研究指導を楽しんでいたのは言うまでもありません。
どちらにとっても幸運な出会いでした。