後期からはオットも講義を受け持っていて、もうすっごい熱心に準備しています。平日夜も土日もずーっと調査したりパワポ作成したりしてます。オットの勤める大学は田舎の小さい大学ですから、入試のレベルみたいなものははっきり言って低いです。オットがそのへんを考慮しているかという心配を私はしてたのですけど、オットはもっと本質的なことを考えていました。
ある日の実験の授業。まずこの絵を見せて
※
なんと書いてあるか?ノートに書きなさい。
次にこの絵を見せて
※
同じくノートに書かせる。
"実はこの二つの絵、中央は全く同じく形である。だから、「A 13 C」や「12 B 14」だって考えられる。しかし、おそらく全員が、一つ目は「A B C」、二つ目は「12 13 14」と書いたと思う。真ん中の形はどちらにも解釈可能だったにもかかわらず、前後の文脈で一足飛びに結論してしまったのではないか?"
※写真は、「ファスト&スロー あなたの意思はどのようにきまるか?」ダニエル・カーネマン 早川書房 より
"今日の実験では、現象の説明を先に行わない。とにかく自分の目で見て気づいたことをなんでもいいからレポートに書きなさい"
と話したそうです。最初に色々説明してしまうと、レポートに書くことが誘導されて肝心の観察力やセンスが養えない恐れがあるからですね。
そうした結果、レポートには、教員の目から見ても「そう来たか!」と思えるような個性的で新鮮な表現が見られたそうです。自慢げに話してくれました。
うんうんそうだね、大事なことだね〜。偏差値関係ないね。講義のあった日は、こういう話を聞くのが楽しいです。
変人なオットには研究者は向いているだろうと思っていましたが、案外、教育者にも向いてるかも?