グランドピアノを買おうと検討をしていた頃、カワイのお店を何度か訪ねましたが、ちょうどシゲルカワイの専門の調律師さんお二人がいらっしゃったことがありました。サービス精神旺盛な営業担当さんがそのお二人と話をさせてくれたのですけど、そのときは正直、遠慮したかったです。電子ピアノしか持ってない初心者でしたから、何を話したら良いかぜんぜんわからない。あ、木目のピアノに興味があって…って話はしたかな。とても気さくに接してくれて和やかな雰囲気ではありましたが、緊張して冷や汗かいてたのは覚えています。
その時のご縁で(と私は思っているのだけど…)、ベテランの調律師さんがこんな初心者ごときの担当になってくれたのでした。
SKを使ったコンサートに出かけるとその人が幕間に調律に現れることもありました。こっちに引越してきてからお世話になっている調律師さんも、朴訥とした雰囲気で話しやすいのですが、お話から大物ピアニストのコンサートで調律をされていることが伺えました。
そういった話をオットにすると、「そんな偉い調律師がうちで3時間も作業するわけない、なにかの間違いだろう」と言うほど、なんかもったいない人が来てくれてるな〜という感じでした。
シゲルカワイの調律はカワイでは特別な資格を持った人しかできなくて、地方だと少ない人数でいくつもの県を担当するそうですから、比較的年配のベテラン調律師が担当になるのは特別なことではないのでしょうね。
でもなんか恐れ多くて苦手意識大大大なのは、初心者のくせに電子ピアノからいきなりシゲルカワイを買うという無茶をしたからかなぁ…。後悔はしていないけど。
初心者というか、やってる曲的には初級者くらいだったのですけど、とにかく生ピアノは初めてだったので、調律に来てもらってもいつもお任せで頼むしかありませんでした。
今も趣味でたらたら弾いているだけで、ベテラン調律師さんから見たらド・ド素人だと思います。
でもね、ここへきて私には珍しく開き直りまして。
そんな、プロ中のプロも使うピアノを調律する人。利用しなきゃもったいない!今度の調律のときに、このピアノについてちょっと引っかかってることを伝えてみよう、と。いや、いざ来てもらったらやっぱり言えないかもしれないけど、私のことだから。
でもできれば…、できるだけ…。
それと、対等な関係になりたいっていうのもあります。こんな恐縮ばかりしてるんじゃなくて。
それにはとにかく自分の希望をちゃんと伝えることだと考えたのです。